2013年5月29日水曜日

2200年前の夾紵(乾漆)、天理参考館 「古代東アジアの漆芸」



月曜日にちょっと遠出をして、天理にある天理参考館の企画展「古代東アジアの漆芸」を見に行ってきました。

天理市はちょっとした独立国家の雰囲気漂う「天理教」の街ですが、10年ほど前に博物館実習で1週間ほどこの町に滞在していたことがあり、独特の雰囲気もなんだか懐かしい感じでした。

実習も、ちょうどこの天理大学付属天理参考館で受講していたので、地図なしでも行けるだろうとタカをくくって駅からテクテク歩いて行ったところ・・・・おもいっきり迷子になりました(; ̄Д ̄)

・・・だって、おんなじような意匠の建物ばっかりなんだもん(ノд・。)

汗だくになりながら坂の街を1時間も彷徨いましたが、途中地元の方に道を教えていただいて無事、ギャラリートーク(展示解説)の時間に滑り込みセーフっ(;´Д`A ```

完全にあさっての方向に歩いていたようで、10年前の記憶なんていい加減なもんです(笑)

ギャラリートークでお話ししてくださったのは、参考館学芸員の山内先生。
約2時間の展示解説でしたが、今まで馴染のなかった古代中国の漆工品を中心にとっても勉強になりました(o^∇^o)ノ

中でも驚いたのが、
こちらの「夾紵の耳杯と盤、奩のセット」というやつ。


なんとコレ、
中国の戦国時代(紀元前403~221年)の夾紵(日本で言う乾漆)の食器セットなのです。

乾漆は、何かしらの原型に麻布をうるしを使って貼り合わせて固め、のちに型から外して作る「うるしの張子」のようなものです。

夾紵はそのご先祖様のようなもので、貼り合わせる布は麻ではなく、「紵」の字のごとく「紵:カラムシ」というイラクサ科の植物の繊維から作った布を貼り合わせたものなのだそうです。

で、この食器セット。

2千年も前に作られたとは思えないほど、ピリっとした造形でビックリしましたΣ(°д°;;)

残念なことに表面の塗装は後年になって塗り直されているようですが、その造形は現代日本の伝統工芸展の作品を凌駕しています。

繰り返しちゃいますが、2千年も前のもんですよ~((((;゜Д゜)))

これは一見の価値アリです☆




あと、日本の資料で気になったのが、奈良で発掘されたという漆器片。

古墳時代の物だというそれは、ちょうど日本人が朱漆を使わなくなった「黒の時代」のもので、黒漆の地に朱色の線描きがある資料。

その朱色はやはり朱漆ではなく、朱の顔料と膠などの樹脂成分を混ぜた「弥陀絵」のような材料で描かれているとのことでした。


朱漆を使ってきた歴史もある、つくる技術もある、朱の顔料もある、漆もある。

なのに、漆は黒色しか使わず、朱の模様は朱漆ではなく「弥陀絵」でつける。


「なぜ、日本人は朱漆を使わなくなったのか?」


現物をはじめて見て、この不思議が一層モヤモヤと湧いてきました~(※・Å・※)


古代人の魂と会話できる方、情報求むっ(≧ω≦)b




この展示は、6月3日(月)までの開催で~す。
ちょっと交通の便が悪いですが、今を逃すと2千年前の夾紵はまた収蔵庫に眠ってしまうそうなので、この機会にぜひご覧ください☆

天理参考館 http://www.sankokan.jp/




あと、ちょっと面白かった余談。。
(マニアックなので、わかる人だけ)

近年話題だった

「日本に現存する最古の蒔絵資料(金銀鈿荘唐大刀の鞘上末金鏤作)はどうやら中国製のようだ」

という話に付随して語られる

「1942年に日本の統治下で行われた現在の北朝鮮平壌市郊外の楽浪遺跡発掘作業では、古代中国(紀元前1世紀~3世紀)で製作されと考えられる蒔絵の遺物が発掘され平壌の博物館に収蔵された。」

という金銀鈿荘唐大刀よりも圧倒的に古そうな蒔絵資料、これは現在も平壌博物館に存在するそうです。

しかもその平壌博物館、
裏ルートで、博物館に「うちの収蔵品買いませんか?」という営業をかけてくるそうです(笑)

もちろん、違法行為になっちゃいますので丁重にお断りされているそうですが・・・、情勢がそれを許すようになれば、楽浪の蒔絵遺物をぜひ日本の博物館にゲットしてもらって研究してほしいところです☆